学校事故

2025/04/02 学校事故

学校施設の不備による事故と損害賠償:老朽化や設備管理不足が招くリスク

はじめに

学校には教室や体育館、運動場、プールなど多彩な施設・設備があり、生徒が安全に利用できるように定期的な点検修繕が行われているはずです。しかし、財政的な問題や人手不足などから施設管理が後回しになり、老朽化した建物や破損した器具などが原因となって事故が発生することが後を絶ちません。本来防げたはずの怪我やトラブルが起きた場合、学校の管理責任安全配慮義務違反が厳しく問われることになります。

本稿では、学校施設の不備による事故に関して、どのような場面で責任が生じるのか、事故発生後の対処や損害賠償の考え方、保護者が知っておくべきポイントなどを整理します。

Q&A

Q1:学校の施設や設備の不備で怪我をした場合、具体的にどのような事故が多いですか?

代表例として、

  • 老朽化した校舎の天井や壁の落下
  • 屋外運動場の穴や段差、崩れた地面
  • 壊れた手すりや階段の破損で転倒
  • プール施設の排水口カバー外れなど
    などがあり、校内外の設備の欠陥が原因で生徒が怪我を負うケースが見られます。

Q2:公立学校の場合、だれが賠償責任を負うのですか?

公立学校は地方公共団体が設置者なので、施設管理の不備で事故が起きた際には、国家賠償法に基づいて自治体を相手に損害賠償請求を行います。市町村や都道府県が主たる責任を負い、教育委員会を通じて対応する仕組みが一般的です。

Q3:私立学校の施設が原因の事故の場合はどうなるでしょうか?

私立学校の場合は学校法人が運営主体なので、民法の不法行為責任(民法709条)や安全配慮義務違反を根拠に、学校法人を相手に損害賠償を請求する流れになります。

Q4:学校側が「老朽化は把握していたが予算がなかった」と言い訳する場合、責任は免除されるのでしょうか?

予算の都合という理由だけでは安全配慮義務が免除されるわけではありません。危険箇所の立ち入り制限や一時的な補修など、予算以外にも実施できる安全策があるため、これらを講じていなかった点で過失が認められる可能性があります。

Q5:事故後、学校の説明に納得できないときはどうすればいいですか?

写真目撃証言施設管理記録などの証拠を集め、学校側の主張との矛盾を明確にしましょう。示談交渉が難航する場合は、弁護士に相談し、法的観点から学校の管理責任を追及するのが効果的です。

解説

「公の営造物の設置又は管理の瑕疵」とは(公立校の場合)

公立学校は公共施設の一部として位置付けられ、国家賠償法において「公の営造物の設置又は管理の瑕疵」がある場合、国や地方公共団体が賠償責任を負うことが規定されています。たとえば、

  • 建物・校舎の老朽化や不適切な修繕
  • 体育館のステージや天井、照明器具の不備
  • 運動場やプールの設備欠陥
    などが「瑕疵」に当たり、事故が起こると管理者である自治体に責任が及ぶ可能性があります。

事故発生後のステップ

  1. 医療対応
    生徒が怪我を負ったら救護し、医師の診断書で負傷の程度や治療方針を確認。
  2. 学校側の報告書
    事故当時の状況や施設管理の状態について詳細な報告書の作成を学校に求め、内容を精査。
  3. 示談・法的手段
    学校(公立は自治体、私立は学校法人)と交渉し、過失や損害額の合意を得る。認められない場合は裁判に進む。

弁護士に相談するメリット

  1. 法律・判例に基づく過失立証
    施設のどこが不備であったかを、写真や管理記録、関係者の証言などから法的に主張・立証。
  2. 損害項目の総合評価
    治療費や慰謝料だけでなく、休業損害や後遺症が残った場合の逸失利益を含めて請求額を正確に算出。
  3. 自治体・学校法人との交渉代理
    相手が公的機関・法人であるため、個人での交渉が難航する場合が多い。弁護士が介入することで解決が早まりやすい。
  4. 再発防止への寄与
    示談の中で設備改修や定期点検の強化を促すことで、今後同じ事故を防ぐ一助となる。

まとめ

学校施設の不備による事故は、児童・生徒の安全を守るための基本的な設備管理が不十分だったために防げたはずの怪我やトラブルを招くケースが少なくありません。公立校では施設管理の責任者である自治体、私立校では学校法人が管理義務を負い、これを怠って生じた事故なら、不法行為国家賠償法による損害賠償責任を問われる可能性が高いでしょう。

事故後はまず医療機関での診断を優先し、学校側の報告や施設の点検記録を確認して、納得のいかない対応や説明があれば弁護士に相談することで、スムーズかつ公正な解決が期待できます。弁護士法人長瀬総合法律事務所では、学校施設の不備による事故案件に関し、依頼者が適正な補償と改善を得られるよう力を尽くします。


 

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