2025/03/15 介護事故
介護施設での転倒事故と損害賠償:安全管理と事故防止の取り組みを徹底解説
はじめに
高齢者や要介護者が日常を過ごす介護施設において、転倒事故は最も多発しやすいトラブルの一つです。特に高齢者は筋力やバランス感覚の低下が顕著で、ちょっとした段差や床の滑りなど、軽微な環境要因でも骨折や大怪我につながるリスクが高いといわれています。骨折後の長期入院や要介護度の進行など、転倒事故が人生に大きな影響を及ぼす例は少なくありません。
本稿では、介護施設で起こりがちな転倒事故をテーマに、事故発生の原因や施設が負う法的責任、事故を防ぐための具体策、そして万一事故が起きた場合の家族や利用者側の対応についてまとめます。
Q&A
Q1:介護施設で転倒事故が発生した場合、どのような責任が施設に認められますか?
介護施設は利用者の安全を確保する安全配慮義務や管理責任を負っています。施設内での段差や床材の管理、夜間の見回り体制、介護職員による付き添いの適切さなどを怠った結果、予測できた転倒を防げなかったと判断されれば、施設側の過失が認められる可能性が高いです。
Q2:転倒事故による損害賠償では、具体的にどのような項目が請求の対象となるのでしょうか?
一般的には、治療費、入院費、通院費などの直接的な医療関連費用はもちろん、介護度が上がった場合の追加介護費、骨折などで後遺症が残れば逸失利益や慰謝料が考えられます。保護者や家族が看護や付き添いで仕事を休んだ場合、休業損害を請求することもあり得ます。
Q3:高齢者本人が認知症などの理由で予想外の行動をとり、転倒した場合でも施設の責任が問われるのでしょうか?
介護施設は入所者の身体能力や認知症の有無を踏まえ、十分な見守りや事故防止策を講じる義務があります。突発的な行動もある程度予測されるもので、これを想定した体制整備をしていなかった場合、施設が過失を認められる場合が少なくありません。ただし、完全に予測不可能な行動であれば、施設の責任が軽減される可能性があります。
Q4:転倒事故を防ぐために家族ができることはありますか?
まずは施設選びの段階でバリアフリーや手すりの整備状況、スタッフ体制をしっかり確認するのが重要です。入所後もスタッフとのコミュニケーションを密にし、ご本人の体調変化や転倒リスクを適切に情報共有することで、スタッフが注意を強められるようになるでしょう。
Q5:事故が起きたとき、施設との話し合いがまとまらない場合はどうすればいいですか?
施設が非を認めない、または賠償金額に大きな隔たりがあるなら、弁護士に相談して示談交渉や法的手続きを検討することが得策です。客観的な事故情報や証拠をもとに専門家が交渉することで、公平な結論に至りやすくなります。
解説
転倒事故の主な原因
- 施設設備の不備
床が滑りやすい素材、段差や傾斜が適切に表示されていない、手すり不足など。 - スタッフの介助不足
夜間や忙しい時間帯に見守りが手薄になり、転倒リスクが高い利用者を放置。 - 車いす操作の不慣れ
乗り移りの際にサポートが不十分で落下するなど。 - 認知症などの突発行動
危険区域に一人で移動し、転倒する事態に対する予防策がなされていない。
事故後の対応プロセス
- 医療機関での受診
骨折や打撲など、必ず診察を受け、診断書を取得する。 - 事故報告書の確認
施設が作成する報告書で当時の状況、スタッフの配置、ケア計画との整合性を点検。 - 示談・裁判
施設との話し合いで責任や損害賠償を協議し、不調なら裁判へ移行。
弁護士に相談するメリット
- 過失の立証と損害算定
施設の点検記録、夜勤体制、個別ケアプランなどを分析し、どの程度施設に過失があったかを示す。損害項目(医療費、慰謝料、介護費用など)を網羅的に算出。 - 施設や保険会社との交渉代理
施設が加入している損害賠償保険などを巡り、専門的知識を持つ保険会社と渡り合うためには法的知識が不可欠。弁護士が冷静かつ適切に対応できる。 - 裁判手続きのサポート
示談不成立の場合、訴状や答弁書作成、証拠提出など、裁判手続きを一任できるため、利用者や家族の負担を大幅に軽減。 - 再発防止策の提案
事故原因を究明し、施設側に介護体制の改善や設備整備を求めることで、同様の事故防止に寄与。
まとめ
介護施設での転倒事故は、高齢者の生活を大きく変えてしまうリスクを伴う重大なトラブルです。施設は利用者の身体状況に応じた見守り体制や設備管理を行う義務があり、これを怠って転倒を防げず重大な怪我につながった場合、施設の過失が強く問われます。家族としては、事故発生後にしっかり医療対応を受け、施設が作成する事故報告書やケア記録を確認して納得のいかない点があるなら、弁護士への相談を検討しましょう。
弁護士法人長瀬総合法律事務所では、介護施設内での転倒事故をはじめとする多様な介護事故に関して示談交渉や裁判など多方面でサポートし、適正な賠償金の確保と再発防止に向けた提言を行っています。安心して問題解決を図るため、一度専門家の助言を受けることをおすすめします。
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