コラム

2025/08/20 コラム

不倫慰謝料を請求したい!必要な証拠と集め方、やってはいけないこと

はじめに

パートナーの不倫が発覚し、慰謝料を請求しようと決意したとき、その成否を分ける最も重要なものが「証拠」です。

たとえ不倫が事実であったとしても、相手が「そんな事実はない」と否定した場合、請求する側が不倫の事実を証拠によって証明しなければなりません。「怪しい」というだけでは、残念ながら慰謝料請求は認められないのです。

この記事では、慰謝料請求に不可欠な証拠の種類と、その集め方、そしてやってはいけない注意点について解説します。

不倫を証明する「強力な証拠」とは?

法律上の不倫(不貞行為)とは、基本的には「配偶者以外の異性と、自由な意思で肉体関係(性交渉)を持つこと」を指します。

したがって、慰謝料請求のために集めるべき証拠は、この「肉体関係があったこと」を客観的に証明、または強く推測させるものでなければなりません。

証拠の証明力には、以下のように強弱のレベルがあります。

【証拠の強さ:レベル高】これがあれば決定的

  • ラブホテルに二人で出入りする写真や動画(顔と日時が鮮明なもの)
  • 性交渉の場面や、それをうかがわせる写真・動画・音声データ
  • 不倫相手が肉体関係を認めている音声録音や自白の念書
  • 探偵事務所・興信所の調査報告書(上記の写真などが含まれる)

【証拠の強さ:レベル中】複数組み合わせれば強力

  • 肉体関係を推測させるLINE、メール、SNSのメッセージ(例:「昨日は気持ちよかったね」「この前のホテル、良かったね」「次はいつ会える?」など)
  • 不倫相手の自宅に長時間(夜間から翌朝までなど)滞在していることがわかる写真や記録
  • クレジットカードの利用明細やホテルの領収書(ラブホテルやシティホテルの利用履歴)
  • GPSの移動履歴(ラブホテルや相手の自宅への滞在記録)

【証拠の強さ:レベル低】これだけでは不十分

  • 二人きりで食事やデートをしている写真
  • 「好き」「愛してる」といった好意を示すだけのメッセージ
  • 高価なプレゼントを贈り合っている事実

レベルの低い証拠でも、複数集めて組み合わせることで、肉体関係を推認させる有力な証拠となる場合があります。

証拠の集め方と、やってはいけないNG行為

証拠を集める際は、冷静に、そして合法的な範囲で行うことが鉄則です。違法な手段で集めた証拠は、裁判で使えなくなる可能性があるだけでなく、逆にあなたが罪に問われるリスクさえあります。

証拠の集め方

  • 車のカーナビの履歴や、ドライブレコーダーの映像・音声の確認
  • 探偵事務所・興信所に調査を依頼する

尾行や張り込みには専門的な技術が必要であり、一般の方が行うと相手に気づかれて失敗したり、トラブルに発展したりするリスクが高いです。費用はかかりますが、プロに依頼するのが最も安全かつ確実な方法といえます。

やってはいけない違法・高リスクな行為

  • 住居侵入
    不倫相手の自宅に無断で侵入し、盗聴器やカメラを仕掛ける行為。
  • 不正アクセス
    ID
    やパスワードを盗用し、他人のLINEやメール、SNSに無断でログインする行為(不正アクセス禁止法違反)。
  • プライバシー侵害
    別居中の配偶者や不倫相手の車に、無断でGPSを取り付ける行為。
  • 脅迫・暴力
    相手を脅したり、暴力をふるったりして無理やり自白させる行為。

これらの行為は、あなた自身が損害賠償を請求されたり、刑事罰を受けたりする原因となります。

まとめ

不倫の慰謝料請求は「証拠がすべて」と言っても過言ではありません。相手に言い逃れをさせないためには、肉体関係を裏付ける客観的な証拠を着実に積み重ねていくことが重要です。

しかし、一人で証拠を集めるのは精神的にも辛く、法的なリスクも伴います。どのような証拠が有効か、どうやって集めるのが安全か、少しでも迷ったら、行動を起こす前に弁護士にご相談ください。あなたの状況に合わせた最適な証拠収集の方法をアドバイスいたします。


 

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