コラム

2025/08/31 コラム

【請求された側】不倫慰謝料を請求されたら?減額交渉とやってはいけないこと

はじめに

ある日突然、弁護士から内容証明郵便が届き、不倫の慰謝料として高額な金銭を請求された――。このような事態に陥れば、誰でもパニックになり、冷静な判断ができなくなるのは当然のことです。しかし、ここで焦って相手の要求を鵜呑みにしたり、感情的な対応をとったりすると、事態をさらに悪化させ、本来支払う必要のない金額まで支払わされることになりかねません。

この記事では、不倫慰謝料を請求された側の立場から、まず何をすべきか、慰謝料を減額するための交渉ポイント、そして絶対にやってはいけないNG行動について解説します。

慰謝料を請求されたら、まずやるべき3つのこと

突然請求書が届いても、慌てて行動してはいけません。まずは以下の3つのステップで、冷静に状況を把握しましょう。

  1. 請求内容を正確に確認する
    誰から(相手の配偶者本人か、その代理人弁護士か)、どのような内容で、いくら請求されているのか。支払いの期限はいつに設定されているか。まずは請求書(通知書)の内容を隅々まで確認します。
  2. 事実関係を客観的に整理する
    請求の原因とされている不倫関係について、ご自身の記憶を整理します。肉体関係は本当にあったのか、いつからいつまで、どのくらいの頻度だったのか、交際に至った経緯はどうだったか、などを客観的に振り返ります。
  3. 【最重要】すぐに相手に連絡したり、示談書にサインしたりしない
    パニックになって「謝らなければ」とすぐに相手に連絡を取るのは危険です。不用意な発言が、後々不利な証拠として利用される可能性があります。また、相手の言うがままに示談書にサインをしてしまうと、法外な金額であっても支払う義務が生じてしまいます。絶対にその場ですぐに応じないでください。

慰謝料の支払義務を争える可能性

慰謝料を請求されたからといって、必ずしも支払う義務があるとは限りません。以下の点に当てはまる場合は、支払いを拒否できる、または大幅な減額を主張できる可能性があります。

  • 肉体関係がなかった場合
    デートをしたり、好意を伝え合ったりしただけで肉体関係がなければ、原則として法的な「不貞行為」にはあたらず、慰謝料の支払義務は生じません。
  • 故意・過失がなかった場合
    「独身だ」と偽られていた場合など、既婚者であることを知らず、知ることができなかった状況であれば、慰謝料の支払義務はありません。ただし、交際状況から既婚者であることを疑うべき事情があったのに注意を怠ったと判断されると、「過失」ありとして責任を問われる可能性があります。
  • 婚姻関係がすでに破綻していた場合
    不倫関係が始まる前から、相手の夫婦関係がすでに長期間の別居状態にあるなど、客観的に見て修復不可能なほど破綻していた場合、あなたの行動と夫婦関係の破綻に法的な因果関係がないとされ、慰謝料を支払う義務はないか、あってもごく少額になります。ただし、単に夫婦仲が悪いという程度では破綻とは認められず、別居から数ヶ月程度ではまだ関係修復の可能性があると見なされ、この主張が認められないこともあります。

慰謝料の減額交渉で主張できること

支払義務を免れない場合でも、請求されている金額が法的な相場を大きく超えている場合は、減額を求める交渉が可能です。裁判上の慰謝料相場は、相手夫婦が離婚しない場合は50万円~150万円、離婚する場合は100万円~300万円程度です。

【減額を主張できる主な事情】

  • 請求額が上記の法的な相場を逸脱している。
  • 不倫の期間が短い、肉体関係の回数が1回など極めて少ない。
  • 既婚者であることを隠されるなど、相手(あなたの不倫相手)が関係を主導した。
  • すでに会社を退職するなど、社会的制裁を受けている。
  • 心から謝罪の意を示し、反省している。
  • ご自身の収入が低く、支払い能力が乏しい。

これらの事情を具体的に主張することで、妥当な金額まで減額できる可能性があります。

請求された側がやってはいけないこと

  • 請求を完全に無視する
    無視を続けると、相手は裁判を起こしてくる可能性が非常に高くなります。裁判になれば、時間も費用もかかり、ご自身の立場はさらに悪化します。
  • 感情的に反論・挑発する
    「そっちの家庭にも問題があったはずだ」などと感情的に相手を非難すると、交渉の余地がなくなり、解決が遠のきます。
  • 要求されるがまま、法外な金額を支払う約束をする
    一度作成した示談書の内容を覆すのは困難です。

まとめ:請求された側こそ弁護士を

不倫慰謝料を請求されたら、まずは冷静に状況を把握し、ご自身の法的な責任の有無や範囲を正しく見極めることが、ダメージを最小限に抑えるための第一歩です。しかし、これを当事者だけで行うのは非常に困難であり、感情的な対立から事態を悪化させてしまう危険性が高いと言えます。

請求された側こそ、早期に弁護士に相談し、専門家を代理人として交渉を任せるべきです。弁護士法人長瀬総合法律事務所は、請求された側の立場での減額交渉にも豊富な実績があります。一人で悩まず、まずは私たちにご相談ください。


 

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