解決事例

2025/05/14 解決事例

【解決事例】指導的立場を利用した性加害、刑事・民事両面で迅速な解決を実現

ご相談の概要

  • 損害賠償・刑事事件被害者側
  • 未成年者に対する指導的立場を利用した性加害事件において、刑事告訴及び示談交渉により加害者の責任を明確にし、被害者の心のケアと将来の平穏確保を最優先に解決に至った事例

相談前の状況

ある日、私たちのもとに、深刻な面持ちのご両親がご相談に来られました。お子様である未成年の方が、日常的に指導を受ける立場にあった人物から、信頼関係を裏切られる形で、許しがたい性的な被害を受けたとのことでした。

被害に遭われたご本人は、心に深い傷を負い、精神的に大変不安定な状態にありました。将来ある若者が受けた衝撃は計り知れず、ご家族もまた、突然の出来事に大きなショックを受け、加害者に対する強い憤りと、今後のお子様の心身のケア、そして事件が外部に漏れることによる風評被害など、様々な不安を抱えていらっしゃいました。

特に、被害者はまだ若く、感受性の強い時期であったため、この経験が将来にどのような影響を及ぼすのか、ご両親は計り知れない苦悩の中にいらっしゃいました。加害者に対しては、刑事的な責任を追及し、厳正な処罰を求める強いお気持ちがある一方で、捜査や裁判の過程で、お子様がさらに精神的な負担を強いられるのではないかというご懸念もお持ちでした。また、民事的な責任として、謝罪や賠償を求めたいものの、どのように交渉を進めればよいのか、途方に暮れていらっしゃるご様子でした。

相談後の対応

当事務所の弁護士は、まず被害者ご本人とご両親のお話を丁寧に伺い、そのお気持ちに深く寄り添うことを第一といたしました。その上で、取りうる法的手段、それぞれのメリット・デメリット、そして今後の見通しについて、わかりやすくご説明いたしました。

ご依頼者様のご意向は、第一に加害者の刑事責任を明確にすること、第二に民事上の責任を追及し、謝罪と適切な賠償を得ること、そして何よりも、被害者ご本人の心の平穏と将来の安全を確保することでした。

これらのご意向を踏まえ、当事務所は迅速に行動を開始いたしました。

まず、刑事手続きについては、被害者の方から詳細な聞き取りを行い、証拠を精査した上で、加害者を刑事告訴いたしました。捜査機関に対しては、本件の悪質性、被害者の受けた精神的苦痛の甚大さを強く訴え、厳正な捜査と処罰を求めました。その結果、告訴状は正式に受理され、その後、加害者は逮捕されるに至りました。捜査の過程においては、被害者の方が二次被害に遭うことのないよう、捜査機関に対し最大限の配慮を求めるなど、きめ細やかなサポートを心がけました。

並行して、民事上の責任追及として、加害者側との間で示談交渉を開始いたしました。交渉においては、単に金銭的な賠償を求めるだけでなく、被害者ご本人の尊厳回復と将来の安全確保を最重要課題と捉えました。具体的には、加害者に対し、本件行為の事実を明確に認めさせ、心からの謝罪を求めるとともに、被害者及びそのご家族に対する一切の接触禁止、被害者の生活圏への立ち入り禁止、そして本件に関する口外禁止といった厳格な条件を提示いたしました。

当初、加害者側は事実関係の一部について曖昧な態度を示す場面もありましたが、当事務所は刑事手続きの進捗状況も踏まえつつ、粘り強く交渉を続けました。被害者の受けた精神的苦痛、将来にわたる影響、そして指導的立場にあった者としての責任の重さを具体的に主張し、法的な観点からも加害者の責任を追及いたしました。

その結果、加害者は自らの行為を全面的に認め、被害者及びご家族に対し深重な謝罪の意を示しました。そして、解決金として相当額の金銭を支払うことに合意するとともに、将来にわたり被害者及びそのご家族の平穏な生活を脅かすことのないよう、接触禁止、口外禁止などの誓約事項を含む合意書を締結するに至りました。

担当弁護士からのコメント

本件は、信頼すべき指導的立場にある人物が、その立場を悪用して未成年者に対して行った、極めて悪質な性加害事件でした。このような行為は、被害者の心に計り知れない傷を残し、その後の人生にも深刻な影響を及ぼしかねない、断じて許されないものです。

当事務所は、ご依頼を受けた当初から、被害者の方のお気持ちに最大限配慮し、刑事・民事の両面から、迅速かつ適切な解決を目指して尽力いたしました。刑事告訴により加害者の法的な責任を明確にし、社会的な制裁を求める手続きを進めると同時に、示談交渉においては、金銭的な賠償のみならず、被害者の方の心のケアと将来の安全確保を最優先に考え、加害者からの謝罪、接触禁止、口外禁止といった具体的な条件を盛り込むことに注力いたしました。

特に、被害者とそのご家族が最も懸念されていたのは、事件が公になることによる二次被害や、加害者からの将来的な接触でした。示談交渉においては、これらの不安を払拭するための具体的な条項を設けることが不可欠であると考え、粘り強く交渉を重ねました。最終的に、ご依頼者様にご納得いただける形で合意に至り、被害者の方の新たな一歩を後押しできたことは、弁護士として大きな喜びです。

性被害は、被害者の方にとって極めてデリケートな問題であり、誰にも相談できずに一人で苦しんでしまうケースも少なくありません。しかし、勇気を出してご相談いただくことで、法的な解決の道が開ける場合があります。当事務所では、被害者の方のお気持ちに寄り添いながら、最善の解決策をご提案させていただきます。もし同様の被害でお悩みの方がいらっしゃいましたら、どうか一人で抱え込まず、まずは当事務所にご相談ください。専門家として、全力でサポートさせていただきます。


 

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